海の天井
俺が水面へ向かって手を伸ばすとき
口から小さな泡がぷかり、喘ぐたび
青白い顔を伝う
漁網の塊が足をつかんでいる?
もがいても取れない
水面が遠い天井に見える
あなたは人の姿のままで
息をしているのかもわからない
口移しに息を継げたらいいのに
時々何か呟くように小さな泡が立ち上る
あなたの足下に絡みつく長いロープ
青白い顔が白く変わっていく
諦めたような目はうつろになって
腕を伸ばしたまま
顔は天を向いたまま
海の水底から見上げる天井
にきらきらと陽が映る
だから言ったのに、
とぼそりと言っても
もう私の口から泡は立たない
私の喉はえらが生え
脚は一つになって鱗に覆われた
もう行くわね
わたしは独りだけど
寂しくないの
自由に跳ね回る脚ができたから
あの光る天井の陽を浴びにいくの
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